あうとわ~ど・ばうんど

2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

Some Shapes To Come

話題になっているTerje Rypdalの新譜「Vossabrygg」を聴いたのだが、イントロがもろ『ファラオズ・ダンス』の冒頭曲がエレクトリックマイルス・リスペクタブル前面の演奏で時折ニヤリとさせられる以外、個人的には退屈だった。内容的には良いところもあるの…

Free Drops

先月リリースされたのは知っていたが、こんなに素晴らしい内容だったら、もっと早く聴いておけばよかった。「Free Drops/五十嵐一生」。全8曲61分。五十嵐(tp)市川秀男(p)俵山昌之(b)本田珠也(ds)。 4人のヒリヒリするぐらい研ぎ澄まされた剥き出しの感性が…

Black Out

7年前の今日、東京・江古田で凄いライヴがあった。できればその場に居合わせてみたかったものだと、このアルバムを聴くと思ってしまう(この1週間後、中山競馬場に行って弥生賞を見て、2着に敗れたがアドマイヤベガをダービーで本命にしようと決めた。という…

The Color of Memory

最近聴いた旧譜から。 シツコイようだが、毎度お馴染みKen Vandermark。いっぱしのヴァンダーマーク・フリークみたいなことを書いていながら、彼のレギュラーグループであるThe Vandermark 5には、なぜか今まで手を出さずにいた。が、ようやく聴きました。「…

Out There

一昨日の日記が、やっつけ仕事気味だったので反省し、改めてドルフィーについて書くことにする。「Out There/Eric Dolphy」。60年、全7曲34分。Dolphy(as,bcl,cl,fl)Ron Carter(cello)George Duvivier(b)Roy Haynes(ds)。 このアルバム、大好きである(大好…

Mystic Layers

山下洋輔の新譜「Mystic Layers」を聴く。全8曲52分。山下(p)Cecil McBee(b)Pheeroan aKLaff(ds)+川嶋哲郎(ts,ss,fl)。 逐一買っているわけではないので分からないが、NYトリオはいったい何作目になったのだろう。昔のフリージャズトリオが数度のメンバーチ…

Mendacity

月イチぐらいはドルフィーについて書いておかないと(?)。というわけで、「Percussion Bitter Sweet/Max Roach」(62年、全6曲41分)。Booker Little(tp)Julian Priester(tb)Eric Dolphy(as,bcl,fl)Clifford Jordan(ts)Mal Waldron(p)Art Davis(b)Max Roa…

Sugarpromise

最近聴いた旧譜から。 「Sugarpromise/Magnus Broo」。03年、全7曲48分。Broo(tp)Torbjorn Guiz(p)Mattias Welin(b)Jonas Holgersson(ds)。 マグナス・ブローはAtomicに参加しているトランペッター。アルバム中、印象に残ったのは、③「Cochise」。シンプル…

The Stone

John Zornの新作「The Stone issue one」(tzadik)を聴く。全8曲48分。Zorn(sax)Dave Douglas(tp)Mike Patton(voice)Rob Burger(org,elp)Bill Laswell(b)Ben Perowsky(ds)。 このCD、価格がちょいと高い。NYイーストビレッジに、全収益をミュージシャンに還…

It’s in the Twilight

Paul Shapiroの新作「It's in the Twilight」(全8曲46分)を聴く。これはとっても楽しいアルバムだ。Shapiro(ts,vo)Steven Bernstein(tp,vo)Peter Apfelbaum(ts,vo)Brian Mitchell(p)Booker King(b)Tony Lewis(ds)。 Tzadik Jewish Culture シリーズ。前作…

Susto

DCPRGが冒頭曲を取り上げたことで、近年再び注目を浴びた「ススト/菊地雅章」(81年、全4曲48分)。十数年前に初めて聴いたときはさっぱり分からなかったのだけど、今の耳で聴くと、なるほどとても素晴らしく響く(昔は本当に、なーんにも分かっちゃいなか…

Play

どうでもいいですが、本日は100日目の日記。 実はジャズ・ヴォーカルものが、よく分からない。が、このアルバムは大好きでよく聴く。「Play/Bobby McFerrin & Chick Corea」(92年、全6曲50分)。もっとも、マクファーリンの歌は、歌唱というより、声による…

Quest

その昔、ブレッカー・グロスマン・リーブマンを称して、コルトレーン派三羽烏と呼ばれた時代があったらしい。いずれ劣らぬヴァルチュオーソだが、個人的にはDavid Liebmanが一番好きだ。あのアクが強くて偏執狂的なサックスサウンドがたまらない。 リーブマ…

My Funny Valentine

時流に乗って(?)『My Funny Valentine』でも聴こうか。とはいえ、定番過ぎて恐縮なのだが、「My Funny Valentine/Miles Davis」。 5年振りぐらいに聴きました。うん。やっぱりマイルスが素晴らしいです。表題曲①。空がほんのり白みはじめた夜明け、朝露…

ALP

このアルバムも、時折思い出したように聴きたくなる。「アルプ/明田川荘之」(93年、全3曲63分)。 本当は、このアルバムが、というよりも、最終曲「Magic Eye」が聴きたくなると言ったほうが正しい。この曲における、旧型サンプリング・シンセのチープなバ…

Time and Again

菊地成孔が音楽を手掛けた「SORANO Soundtrack」について書こうと思ったのだが、特に何も思いつかないので、やめることにする(それにしても、菊地の名前を出すだけで、アクセス数がとんでもなくハネ上がるなあ)。 ところで、近年の菊地の活動を見ていて、…

My Name Is Albert Ayler

「My Name Is Albert Ayler」が無性に聴きたくなる時がある。なぜかは分からないが、とにかく、そういう夜だったのだ。全6曲44分。Ayler(ts,ss)Niels Bronsted(p)Niels Henning Orsted Pedersen(b)Ronnie Gardner(ds)。 このアルバム、④「Summertime」にトド…

Playground

ここで取り上げる新作以外のアルバムは、18歳ごろ前後数年間に聴いたものが多い。結局、当時はいろいろなことが自分自身や周囲に生起しており、そうしたさまざまな記憶と分かちがたく結びついているからだ。今聴いても、よかったこと悪かったこと嬉しかった…

ideas

一般ジャズファンだとどうか知らないが、当ブログでは説明不要のKen Vandermark。昨年末から注文していた彼の新作「ideas」がようやく届く。全10曲68分。Vandermark(ts,bs,cl)Marcin Oles(b)Barttomiej Brat Oles(ds)。 この作品をリリースしたのはNottwoと…

Happy New Ears!

昨年の海外部門第3位(12月28日参照)に選んだ、北欧スター軍団Atomicの新作「Happy New Ears!」が届く。全10曲65分。Fredrik Lyungkvist(ts,cl)Magnus Broo(tp)Havard Wiik(p)Ingebrigt Haker Flaten(b)Paal Nilssen-Love(ds)。 最近では、一世代下のMotif…

Compostela

昨日名前が出たついでに、今日は久しぶりに篠田昌已がらみの音源を聴いていた。自分が篠田を聴くようになったのは、92年に彼が34歳の若さで亡くなった後、オフノートやTzadikからCompostelaのCDが何枚か出て「そういえばこの人、生向委の1枚目に名前が入って…

To Whom A Melody Belongs?

珍盤ついでということでもないが、「うたは誰のものか?/泉邦宏・立花泰彦」(02年)。全9曲70分。泉(as,ss,笛,大声,per,etc)立花(b)+沖至(tp)関根真理(per)。 2曲を除いて、泉と立花のデュオ。バラード主体。①「Georgia on My Mind」②「Memories of You」…

Private

何も突然こんな珍盤を、という気はするが、久々に聴いて唸ってしまったので取り上げよう。「Private/岡淳」(03年)。全14曲65分。岡淳(sax,fl,etc)のソロパフォーマンス。オーバーダブ一切なし。ディレイもエフェクトもパーカッションも、ぜーんぶその場…

Junkanoo

今を遡ること十数年前、Barbara Dennerleinというドイツ人女性オルガン奏者の「That's Me」のジャケット写真にヤラレちゃった男性ジャズファンは、意外に多いのではないかと思う。恥ずかしながら、自分もヤラレちゃった口で、その後何枚か彼女のアルバムを購…

Folkloriko

一昨年話題になった(らしい)Susie Ibarraの「Folkloriko」(tzadik)を聴く。全10曲47分。Ibarra(ds,per)Jennifer Choi(vln)Craig Taborn(p)+Roberto Rodriguez(per)Wadada Leo Smith(tp)。 イバーラは、デヴィッドSウェア・カルテットに在籍したことも…

東京ダルマガエル

「東京ダルマガエル/一噌幸弘」(91年、全7曲54分)。このアルバムも昔、心底ハマッたなあ。かつては「It's So Isso」という副題が付いてキング(当時は和楽とジャズのコラボものをいっぱい出してた)から発売されていたが、今は副題が取れてビクター伝統文…

Rise and Shine

先月初CD化された「Rise and Shine/板橋文夫」が、ようやく届く。タイトル曲を、昨夏出た「Watarase/板橋文夫アンソロジー」に収録されたフルエディットヴァージョンに差し替えた『完全盤』。全3曲55分。板橋文夫(p)早川岳晴(b)亀山賢一(ds)。 吹き込み当…