あうとわ~ど・ばうんど

Time and Again

菊地成孔が音楽を手掛けた「SORANO Soundtrack」について書こうと思ったのだが、特に何も思いつかないので、やめることにする(それにしても、菊地の名前を出すだけで、アクセス数がとんでもなくハネ上がるなあ)。
ところで、近年の菊地の活動を見ていて、清水靖晃を思い出すという人はいないだろうか? 自分は、「Degustation A Jazz」を聴いたとき、真っ先に「Time and Again」(93年、全8曲48分)のことを思い浮かべたのだけれど。
もちろん、音楽的にはあまり似ていない。でも、衒学趣味的なタイトルや幕劇を模したようなアルバム構成、曲間に挟まれるやや意味不明なモノローグやダイアローグ、そして何と言っても全篇を貫く官能性に直接訴えかけるようなテナーサックスの響きに、相似を見出せるように思うのだが、どうだろうか。
清水というと、ジャズファンにとっては「流氷」であったり「KYLYN」であったり「JAZZ Live」であったり「北京の秋」であったりするのかもしれないが、自分はこの「Time and Again」が大好き。もっともっと評価されていいアルバムだと思う。