あうとわ~ど・ばうんど

Quest

その昔、ブレッカー・グロスマン・リーブマンを称して、コルトレーン三羽烏と呼ばれた時代があったらしい。いずれ劣らぬヴァルチュオーソだが、個人的にはDavid Liebmanが一番好きだ。あのアクが強くて偏執狂的なサックスサウンドがたまらない。
リーブマン絡みの作品(マイルスバンド除く)では、「Quest」(82年かな?)を最も愛聴している。ピアノはRichie Beirach。この頃のリーブマン・バイラークは本当に凄かった(ってリアルタイムじゃありませんが)。ジャズ界屈指のタッグの一組だったと思う。一昨年出た、QuestやLookout Farmやデュオの未発表ライヴを収録した3枚組「David Liebman & Richie Beirach/Mosaic Select 12」も非常によかった。ちなみに2人とも、ブルックリン生まれの同世代で、トリスターノ門下生というのが面白い。
アルバムの中身はというと、スピード感溢れる①「Dr.Jekyll and Mr.Hyde」③「Softly As in A Morning Sunrise」⑤「Napanoch」、胸にじわじわ熱いものが込み上げる名曲④「ELM」、アルトフルートがオドロオドロしい⑥「Loneley Woman」と、どの曲も最高(1曲忘れたが、まあいいや)。
余談だが、リーブマンといえば教育者としても有名(?)で、邦訳の出ている「サクソフォーン上達法」って、すっごくいい教本ですよね。ぼくは初っ端の倍音練習で挫折しましたが(「マウスピースのみで第10倍音以上の音域」「毎日数分間の練習で2〜3日でマスター」云々の記述に絶句…)