あうとわ~ど・ばうんど

Yuko Fujiyama × 吉田野乃子 デュオライヴ & トリオ深海ノ窓 デモCD-R

22日夜は札幌くうで、Yuko Fujiyama(p) × 吉田野乃子(as) duo を観た。

札幌出身ニューヨーク在住ピアニストの藤山裕子さんとわれらが野乃子ちゃんのデュオライブ。11年前、ジャズを勉強するために渡米した当時18歳の野乃子ちゃんがNY到着から1週間後、現地に行ったら連絡してみなさいとN氏に教えられた通り藤山さんに会いに行くと、そのまま The Stone に連れていかれ、彼女が魔道にのめり込むきっかけをつくった張本人が藤山さんだったとのこと(とはいえ、野乃子ちゃんの家では彼女が小さいころから山下洋輔トリオが流れていたわけだから、素養はあったわけだが)。

藤山さんのピアノを実は初めて聴いたけれど、抽象的な感じが一つもない、常にある種の情感を湛えた不思議なフリージャズピアノだった。野乃子ちゃんは「恩師」とのセッションに当初は気合が入りすぎたようであったが、セカンドセットにはそれも落ち着いて、良い演奏が続いた。(ちなみに彼女はよく私に「怒られるような演奏はできない」とか「観られてると思うと緊張する」とか「厳しい感想待ってます」などと言うのだが、彼女にそんな手厳しいことを言ったり書いたりした記憶は全くないのだけれどなぁ)


物販にて、先日のお披露目ライブに行けなかった「トリオ深海ノ窓」のデモCD-Rを購入。

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吉田野乃子(sax) 富樫範子(p) 戸谷肇(b)


2曲16分40秒ほどの小品であるが、ふむ、なるほど。抒情的なジャズと見せかけつつ魔導音楽、という意味では今夜のライブと同根であるかもしれない。個人的には歌い上げっぷりの端々に、彼女の渡米前の師匠の影を如実に感じてしまうのが非常に興味深い(そういえば師匠のオリジナル曲のタイトルに「受け継がれる記憶」というのがあったっけ、などと思い出してしまった)。それからどうも野乃子ちゃんは帰郷後、メロディーへの希求が強まっているようにも受け取れるのだが、その傾向がどうなっていくかにも注目している。


参考動画
www.youtube.com