Art Blakey & The Jazz Messengers - New World at Slugs

こんなCDが出ていたとは知らなかった。

ニュー・ワールド・アット・スラッグス

Art Blakey(ds) Ronnie Matthews(p) Larry Evans(b) Bill Hardman(tp) Julian Priester(tb) Billy Harper(ts)

ビリー・ハーパーが在団していた68年ジャズメッセンジャーズのライブ盤の初CD化だそうである。ハーパーがリー・モーガンのグループやギル・エヴァンス・オーケストラなどへの参加で注目を集めていくのは70年代に入ってからであって、記録の少ないキャリア初期の60年代の演奏に興味があって購入した。音質は良くないが、悪いとういうわけでもない感じ。

ハーパーのサックス演奏は、独断で言ってしまうが、いつも全編にわたって熱いのだけれど、終始同じような音の大きさでダイナミクスレンジが狭く、フリークトーンの快楽にも乏しいため、曲によっては一本調子で退屈なこともある。という、実はちょっと困った人でもあったりするのだが、ここでもそういう本質は表れていて、しかしそれを若さ（当時25歳）で押し切るような好ましさは感じ取れる。

なお、ハーパーはこのライブの3年半後、同じ「スラッグス」において、JMの先輩でもあるリー・モーガンの射殺現場に居合わせることになる。

試聴

ところで、JMに72年ごろ、ミンガス・グループに入る前のドン・プーレンとジョージ・アダムスが去来した記録がある（こちら参照。しかもその下には、73年にJMがジェームス・ブラッド・ウルマーと共演したという記述が！）。このへんの発掘盤も、いつの日か出てほしいものだ。