あうとわ~ど・ばうんど

George Adams - Paradise Space Shuttle

Timeless レーベルはこれまでに何度も再発されているが、ジョージ・アダムスに関してはドン・プーレンとのカルテットのみをコンプリートしている(但、今思いだしたが5、6年前に友人に貸した「Earth Beams」が返ってきていない)ものの、この作品は素通りしてしまっていた。廉価再発されていたので、初めて購入。

パラダイス・スペース・シャトル

パラダイス・スペース・シャトル

George Adams(ts) Ron Burton(p) Don Pate(b) Al Foster(ds) Azzedin Weston(per)


プーレンとのカルテットでなくとも、アダムスのテナーにはやっぱり聴き惚れる。録音は79年12月というから、アダムスは39歳(今の私より年下だ)、脂も乗りきっている。特にタイトル曲などでのアル・フォスターとのデュオパート、バシャバシャと鼓舞するフォスターに煽られ獅子吼するアダムスが(分かっちゃいるけど)素晴らしい。最後の曲だけがなぜか長尺フュージョンで、ああ時代だねえと笑ってしまうが、アダムスのテナーサックスが鳴り響くや時代は関係なく、彼のプレイはいつまでも古びない。

ところで、タイトルについてだが、これまでは「ああ、なるほど。ちょうどスペースシャトル時代が始まったんだな」と単純に思い込んでいたのだけれど、書く前に調べてみたら、79年12月の段階ではスペースシャトル計画1号機のエンタープライズによる滑空実験が行われていたのみで、コロンビア(完成はしていた)による初の宇宙飛行はまだ実現していない。しかし、宇宙新時代への期待感が社会に充満していたのだろう、それがアルバムタイトルにも「パラダイス」として表れている気がする。だが、チャレンジャー号事故はこの6年後、そのさらに6年後にはアダムスも亡くなってしまう。今では、スペースシャトル自体も過去の物になってしまったが、音楽はこうして残っている。


試聴