Denis Guivarc'h

ついでにダウンロードの新譜を紹介しておく（本当はCDもあるようだが、やはり日本には入ってこないのだ）。

Reverse

Denis Guivarc'h(as) Jean-Luc Lehr(b) Chander Sardjoe(ds)

Denis Guivarc'h（何と読むのか見当つかない）はフランスのアルトサックス奏者。日本での知名度はまだ低いようで、一番有名なのは Magic Malik Orchestra（も、そんなに有名でない）への参加だろうか。スタイル的にはスティーヴ・コールマンに影響を受けたような曲折的フレーズをぐいぐい吹きこなしていくタイプで、しかも音が非常に良い。

同じフランスに Dupont T というグループがあって、Rudresh Mahanthappa が参加したアルバム（「Spider's Dance」）が出ているが、現在は Mahanthappa の後任（もしかすると Mahanthappa はゲストだったのかも）として Denis が参加しているところからも、その実力の程が分かろうと思う。

私が最初に彼の演奏を聴いたのは、YouTube のオススメ動画に現れた Olivier Laisney Slugged というグループの「Phonotype (feat. Denis Guivarc'h)」というアルバムの音源で、Steve Lehman Quintet のパクリに範をとったようなサウンドの中、とりわけ Denis のプレイに惹きつけられた。

新作はファンクっぽいビートを中心とした曲が多く、各曲短めなのがやや不満だが、こういうノリの楽曲に彼のようなスタイルはとてもよく映える。

あと、彼のアルバムでは6年前のデビュー作「Exit」が面白い。オリジナル曲を中心としつつ、「Nefertiti」や「All The Things You Are」の大胆なアレンジ、「Giant Steps」を基にしたと思しき「My Steps」というオリジナルを配置し、バランスも良い。Criss Cross あたりの有名レーベルからリーダー作がリリースされれば、すぐに注目株となることは間違いなさそうに思うのだが。

参考動画