あうとわ~ど・ばうんど

Tomas Fujiwara & The Hook Up - After All Is Said

レーベル直販にて購入。


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Tomas Fujiwara & The Hook Up - After All Is Said
482 Music, 2015)
Michael Formanek(b) Mary Halvorson(g) Brian Settles(ts, fl) Jonathan Finlayson(tp) Tomas Fujiwara(ds)


例によって事前に、ダウンロード版を発売と同時に聴いていた(ちなみに、私の購入したAmazonでは現在なぜか販売されてない)のだけれど、CDで聴くとまた味わいは格別だ。←例によって馬鹿である。


グループ通算3枚目。なお、アルバムはすべてベーシストが違っており、1枚目「Actionspeak」(10年11月4日参照)は Danton Boller、2枚目「Air Is Different」(12年7月28日参照)は Trevor Dunn、今作では Michael Formanek を迎えている(フジワラを含む4人は不動)。


1枚目のサウンドは60年代マイルス・デイヴィスクインテットに範を取ったような(フジワラは作曲について、ウェイン・ショーターからの影響を告白している。こちら参照)それでいてメアリーのギターが輪郭を伸縮させるような効果を持っており、2枚目も1枚目を踏襲しつつ演奏内部における自由度を拡大させたようだったが、今回はさらに楽曲の拘束を緩やかにし、メンバーにかなり広いスペースを与えている。


フォーマネクの参加は2012年だったそうだが、ティム・バーンやマーティ・アーリックといった手練れたちと長年コラボレーションする名手が加わったことにより、録音(14年2月)までの約2年間でグループサウンドが見る見る劇的に変化していったであろうことは想像に難くない(また、その間の13年4月には、メアリー、フォーマネク、フジワラのトリオによる「Thumbscrew」も吹き込まれている)。


メンバーそれぞれにも見せ場がある。メアリーの異次元ギターが浮遊や暴発をみせるのは(いつもながら)スリリングであるし、フィンレイソンのトランペットも印象深くフィーチャーされる場面がある。セトルズは3枚目にして初めてフルートを吹くほか、最終曲でのテナープレイが味わい深い(セトルズというと、Engin Studios からの「Secret Handshake」(12年10月21日参照)が愛聴盤のため、どちらかと言えばこういうオーソドックスな感じの演奏が、彼には向いていると個人的には思うが)。また、フジワラのドラムソロのみによる短い曲も収録されている。


試聴(冒頭曲)