あうとわ~ど・ばうんど

Point of Departure

Point of Departure
というわけで、「Point of Departure/Andrew Hill」(blue note)。64年、全5曲40分。Kenny Dorham(tp)Eric Dolphy(as,fl,ts)Joe Henderson(ts)Hill(p)Richard Davis(b)Tony Williams(ds)。
まず、データ的な予備知識から。ドルフィーアメリカ本国におけるほとんど最後の公式録音。「Out to Lunch」の1ヶ月後。翌月には、ミンガスグループに加わってヨーロッパへ帰らぬ旅に出る。
さて。このアルバム、ぼくにとってはドルフィーの参加が一番の聴き所であって、特に③「Spectrum」におけるバスクラとアルトサックスの響きには涙が出そうになる。また、この作品におけるヒルの作曲センスは、ドルフィーに近接したものを感じ好印象。⑤「Dedication」のピアノソロも良い。「Out to Lunch」でも共演したリチャード・デイヴィスとトニー・ウィリアムスもなかなか。
とはいえ、ぼくがこのアルバムに物足りなさを感じているのは、ドーハムとジョーヘンの存在。2人が何をしたいのかさっぱり分からないのだ。ドーハムはトランペットだから、サウンド面からまあしょうがないとして、ぼくはそもそもジョーヘンがあまり好きでない(以前、ジョーヘンが大好きだと言う或る人(後輩のK君ではないよ)と話していて喧嘩になりかかったことがある)。クインテットだったらよかったのに。