あうとわ~ど・ばうんど

Porgy and Bess

久しぶりに「Porgy and Bess/Miles Davis」を聴く。58年、全13曲52分(+2は断じて不要)。
今週3度目のマイルス登場。別に日記に書くために音楽を聴いているわけではないのだが(最近はそういう側面もなきにしもあらずだが)、溜まっている新譜もなく、聴き返したい旧譜も特に思いつかず、何も聴くものがないと感じられる日がある。それでも何か聴きたい(というと『病的』だなー)とき、自然とマイルスに手が伸びる。最近はヴァンダーマークに入れ揚げているし、オーネットもコルトレーンもアイラーもカークもジョン・ゾーンも大好きなのだが、結局自分はマイルス(とドルフィー)に帰ってゆくのだなー。うーむ。
それはさておき、「ポーギーとべス」だ。昔は⑤「Summertime」だけで事足れりとしていた(チャーリー・パーカー・ウィズ・ストリングスとマイ・ネーム・イズ・アルバート・アイラーを合わせ、3大サマータイムと勝手に名付けている)。だが、年を重ねるごとに、ようやく作品全体の味わいが分かってきた(とはいえ、まだ30代前半ですが)。それは②「Bess, You Is My Woman Now」や⑨「My Man's Gone Now」や⑫「I Loves You, Porgy」のような、最初から情趣豊かに作曲されたものだけでなく、例えばギル・エヴァンス作曲の③「Gone」のような勇壮な曲や⑬「There's A Boat That's Leaving Soon for New York」のような洒脱な曲に至るまで、アルバムの隅々に深い“ブルース”を感じ取れるようになったということだ。
マイルスのトランペットは、冒頭曲、最初の一音目から凄絶な“CRY”を発している。最終曲、最後の一音までそれが途切れることはない。ホント、すごい作品なのだ。それにしても、吹き込み当時マイルスは32歳。今の自分と同い年なんて・・・