あうとわ~ど・ばうんど

Oliver Lake

Oliver Lakeは、自分が知る限り3回(持っているCDの中で3枚)、ドルフィーの曲を演奏している。1枚目は1980年録音の「The Prophet」だ。全6曲中3曲がドルフィー・ナンバー。ただし、曲素材として試してみた感が強く、あまり好きではない。2枚目は、Andrew Cyrille、Hannibal、Oliver Lake、Steve Colson、Reggie Workman名義の91年録音「My Friend Louis」。ここでは1曲だけ、ハンニバル抜きのカルテットで「The Prophet」を演奏している。ストレートにドルフィーと向き合ったような印象を受ける。
そして、3枚目が94年録音の「Dedicated To Dolphy」で、3枚の中ではこのアルバムが一番好きだ。全9曲中7曲がドルフィーのオリジナルまたはゆかりの曲。残り2曲はレイクのオリジナルだが、ドルフィーコンポジションを学んだような曲想で、アルバム全体のバランスも非常によい。レイクは気負うところなく、まったくの自然体。完全に曲を自分のものにしている。好演だと思う。
ところで最近のレイクだが、まだまだ元気だ。昨年の(自分の中では)スマッシュヒットだったWorld Saxophone Quartetのジミ・ヘン曲集「Experience」では、「Freedom」や「If 6 Wars 9」などでの血管ぶち切れそうなソロに鳥肌モノ。今年出たDennis Gonzalezの「idle wild」でも、表題曲や4曲目「Song」など、近寄るとスパッと切れそうな鋭利な音色で、殺気に満ちたソロを繰り広げている。そう、この殺気。ドルフィー派と呼ぶ由縁でもある。