あうとわ~ど・ばうんど

Sun Ra Recital

新ブート「Miles Davis/Black Devil definitive edition」を聴いた。おお「Black Devil」のサウンドボードかと喜んだものの、確かに音質やバランスはよくなったと思うけれど、曲間のDJはカットできなかったのだろうか。ちょっと複雑な気分だ。

ところで、ブートで思い出したが、最近Sun Raの「Piano Recital」というCDを入手した。Leo RecordsのGolden Years of New Jazzというレーベル。ジャケットの作りが実に安っぽく、『limited edition 1500 copies』などと書いてあるあたり、ブート感にあふれているが、正体はよく分からない。(たぶんオフィシャルではないと思うのだが)
ヴェネチアでのピアノソロコンサートを収録したものらしい。サン・ラのピアノソロといえば、IAIに吹き込まれた「Solo Piano volume1」「St. Louis Blues Solo Piano」が昨年復刻され狂喜したが、このCDはその2枚と同じ1977年の吹き込みのようだ。全11曲。
音はコモり気味だが、ブートを聴き慣れていれば大した問題ではない。中盤が面白い。5曲目、「Take The A Train」ではないか。名盤「Live at Montreux」での濃密なソロに比べれば、ややダルな部分もあるが悪くない。「St. Louis Blues」を経て、7曲目「Penthouse Serenade」。フリーなイントロに続いて出てきたテーマが実にイイ。ライヴというのが好影響をもたらしたか、サン・ラも明らかにノッテいて、なんというか、実にチャーミングな演奏である。会場も割れんばかりの拍手。8曲目は自作の「Angel Race」。おお、歌が飛び出した。サン・ラの弾き語りとは。
こんなサン・ラも悪くない。