あうとわ~ど・ばうんど

Political Blues

下半期の新譜1発目はコレ!「Political Blues/World Saxophone Quartet」(justin time)。全11曲62分。Bluiett(bs)Oliver Lake(as,ss,vo)David Murray(ts,bcl,vo)Jamaaladeen Tacuma(b)Bruce Williams(as,ss)Craig Harris(tb,didjeridoo,vo)Lee Pearson(ds)James “Blood” Ulmer(g,vo)Jeremy Pelt(tp)Carolyn Amba Hawthorne(vo)Jaleel Shaw(as,ss)Herve Samb(g)。
Political Blues04年のジミ・ヘン曲集以来、WSQの2年ぶりの新作。合衆国の政治的危機に対する、WSQ版『アッテカ・ブルース』『フォーバス知事の寓話』なんだそうな。政治的主張が伴う音楽の生命線は、音楽自体(歌詞のみでなく)の訴求力なのだけれど、さすがWSQ、とってもカッコイイ。
タイトル曲①、冒頭からいきなりノリノリ、マレイのヴォーカルもイイ。ウルマーは③「Mannish Boy」で登場、ソウルフルな歌はやっぱりしびれます。女性ヴォーカルが情感たっぷりに「アーメーージーン」と始め「ディスグレーーース」と続ける⑤「Amazin' Disgrace」も痛烈だ。
レイク、マレイ、ブルーイットのWSQ不動の3人は、全編にわたって、さすがの貫禄。特にレイクがスゴイ! 最近レイクがらみのアルバムを聴く機会が多かったが(5月28日6月25日参照)、このアルバムが一番キレてます。
ところで、(英語が苦手なので)歌詞の断片から判断するに、主に、昨年のカトリーナにまつわる一連の騒動がテーマになっているようだ。例えばイラクとか、もっと世界のことにも目を向けてもいいのじゃないかとも思うのだが、合衆国の黒人にとっては、まずアメリカと戦うことが先決なのだろう。そして黒人の最大の武器は、銃器などではなく、ブルースということになるのだろうか。