あうとわ~ど・ばうんど

のなか悟空 & 人間国宝 @ 札幌くう

f:id:joefree:20171106204733j:plain:w200:right本来は昨日書いておかなければならなかったことであるが、4日夜、札幌くうへライブを観に行った。

のなか悟空&人間国宝
のなか悟空(ds) 近藤直司(ts, bs) ヒゴヒロシ(elb)

軟弱ジャズは地獄に落ちろ』のコピーでおなじみ、のなか悟空 & 人間国宝の、なんと26年ぶりの札幌襲来だそうだ(すなわち前回は、私がまだジャズのライブに行くようになる前であり、というか、まだフリージャズの本当の魅力に開眼していない頃である)。

この夜、北海道内では平地でも所によって雪が降り、札幌市内も冬のような寒さであったが、くう店内に限っては熱気が充満した。のなかさんは黒縁の丸眼鏡をかけて叩き始めたのに、いつの間にか眼鏡をはずし、途中で諸肌脱ぎ、口を半開きにして、時折舌を出し、野生を解放しながら、ひたすらドラムをシバキ続けた(とは言っても、よく聴けば実はかなり繊細なドラムであることがよく分かる)。ヒゴさんの引き締まったベースも躍動し、そして個人的にはやはりなんといっても、近藤さんのその知的な風貌(というか、本業のことを考えると、本物の知性を持った人なのであるが)とは裏腹の、ひたすらに素晴らしい音圧と音色による咆哮(しかもただ吼えているだけでなく、底流にめちゃくちゃ強靭なビートが脈打ってるのも魅力なのである)がたまらんのだ。曲は「チチト」「Charade」「Dull」「McCoy」などおなじみの曲たちに加え、「ロンリー・ウーマン」「ラジオのように」も演奏された(さっきから括弧に入ってばかりで申し訳ないが、「My Favorite Things」は披露されなかった)。CDで聴くのと同じと言えば同じような演奏であるが、いやいや、やはり生で観る迫力はすばらしい。


f:id:joefree:20171106204818j:plain:w170:rightさて、ライブの物販で、人間国宝の5枚のアルバムの中で最も入手困難な「DUMP」が、CDRではあるが一枚だけ販売されていたのを発見して、開演前に即確保した。パソコンで焼いたとき特有の、バチバチッという雑音がときどき入るが、それを不問にさせるほどのエネルギーが、収録された音楽には詰まっているのだから、文句は言うまい。