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Albert Ayler - Bells / Prophecy (Expanded Edition)

Bells/prophecy

Bells/prophecy

Albert Ayler(ts) Donald Ayler(tp) Charles Tyler(as) Lewis Worrell(b) Sunny Murray(ds, per) Gary Peacock(b)


アルバート・アイラーの、65年6月のタウンホール・ライブ「BELLS」と、64年6月のセラーカフェ・ライブ「Prophecy」の2in1盤に、04年リリースの9枚組「Holy Ghost: Rare & Unissued Recordings 1962-70」で日の目を見た「Prophecy」の残るライブ音源6曲がボーナスディスクとして追加され、2枚組として再発された。つまり、音源自体の目新しさはないものの、「Holy Ghost」では1枚目と2枚目に分散収録されていたものが、2枚組完全版として望ましい形で生まれ変わったことになる。

「Holy Ghost」を持っている人は、熱狂的なファン以外には購入は悩ましいところだろうが、高価なボックスに手が出なかった人にとっては、「Bells / Prophecy」の体裁は保持したままでボーナスディスクが手に入れられるわけだから、買いだろう。私も大いに悩み、ブログのためという目的もあって購入したが、それとは別に入手して良かったと思っている。というのは、このボーナス音源は「Holy Ghost」の中では、他の収録曲の歴史的価値から比べるとどうしても相対的に注目度が低く、前述のように分散収録のため、実はあまり熱心に聴いていなかったのであるが、こうして独立した盤で聴いてみたら「Prophecy vol.2」として十分に成立していて、もしかすると「Prophecy」本体よりも好きかもしれないと気づけたからだ。


ちなみに「Prophecy」の録音は、「Spiritual Unity」吹き込みの前月である1964年6月14日。この日付にどうしても目が行ってしまうのは、エリック・ドルフィー・ファンの悲しい習性で、大西洋を挟んだヨーロッパでドルフィーが生命の最期の火を燃焼させていた時期にあたる(29日死去)。アイラーは当時27歳で、彼もその6年後には亡くなることになる。没年齢の34歳は、ドルフィーより2歳若く、チャーリー・パーカーと同じ年だった。


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