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Mingus Dynasty - Live at The Village Vanguard

最近ジョージ・アダムスを聴く機会が多いが、きょうも、ストーリーヴィル・オリジナル・アルバムズ・ストレイト・リイシュー・シリーズ 第2期から、アダムスが参加したミンガス・ダイナスティの国内初CD化盤を聴く。

ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード

ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード

Randy Brecker(tp) George Adams(ts) Roland Hanna(p) Richard Davis(b) Kenny Washington(ds)


チャールス・ミンガスが1979年1月に死去してから半年後、ミンガスの音楽的遺産を継承するためミンガス未亡人(スー・ミンガス)を事実上のリーダーとして結成され、アルバムごとにメンバーを変えながら、ミンガス・ビッグバンドに発展的解消される90年代初頭まで続いた「ミンガス・ダイナスティ」の3作目、ないし4作目にあたる(実はよく知らない)。

結成第1作の「チェアー・イン・ザ・スカイ」も、おととし国内初CD化されていて、ドン・プーレンが参加していたので聴いてみたのだけれど(ついでに言えば2作目の「ライヴ・アット・モントルー」も再発されているが、プーレンもアダムスも参加してないので、聴いていない)、なるほど巧い奏者をそろえて洗練されたミンガス・レパートリーを演奏すれば、コンポーザーとしてのミンガスの素晴らしさはよく分かるのだけれど、やはりある種の粗野さや過剰さがなければ、あまり「ミンガス的」とは感じられなかった。その点、ジョージ・アダムスが参加し、名門ヴィレッジ・ヴァンガードでのライブである本作では、そうした不満点がおおむね解消され、なかなか良かった。

そういえば、Soul Note レーベルに残された4作品も近くボックス再発の予定になっている(「Complete Black..」、アダムスもプーレンも参加してないので、たぶんすぐには買わないと思うけど)。今年、ミンガスの三十七回忌にもなってから、ミンガス・ダイナスティの再発アルバムがほぼ出そろう状況はなかなか面白い。できれば、アダムスが参加している残る2作品、「The Next Generation Performs Charles Mingus - Brand New Compositions by Mingus Dynasty (1991-06-04) 【並行輸入品】」(SONY)と「At Bottom Line」(は、West Wind だから難しいかもしれない)も、ぜひともお願いしたいところ。



参照
ジョージ・アダムスの過去記事アーカイブ(旧ブログ)
George Adams Sessiongraphy(外部サイト)