石田幹雄 ソロ
札幌を離れていた時期も、札幌のジャズ界隈の様子は常に気に留めていて、素晴らしい若手ピアニストがいる、ということは聞いていた。
何年か前の帰省の折、初めて聴いたそのピアノは衝撃だった。それが石田幹雄との出会い。
以後、帰省のたびに必ず彼のピアノを聴くようになる。
昨夏の帰郷後も数多く、とは言えないものの、彼の演奏を楽しみにしてきた。
昨日は、札幌ジェリコへ。
石田幹雄(p)ソロ
神奈川移住直前。しばらくは北海道にちょくちょく来るようだが、『区切り』のライヴ。
1st セット。
軽快に。時に重々しく。時に寂しげ。そして疾走。良質のインプロ。
そして「In A Sentimental Mood」。
この時点で既に満足であったが、これはほんの前菜にすぎなかった。
2nd セット。
いきなり轟く雷鳴のような音。
激しさ。爆発。爆発。爆発。止まらない。止まれない。
凄い。凄すぎて苦しい。胸が張り裂けそうだ。
突然場面が変わる。単音メロディー。音が屹立している。
戦っている。石田が戦っている。
一瞬も気を抜けない。切迫した音。
殺られる。殺られる。
ぼくは頭を抱え込む。受け止めることに必死で。
再び轟音。
全てを飲み込む。飲み込まれる。
凄い。凄い。凄い。
なんだこの音は。
なんだこの音は。
ナンダコノオトハ・・・・・・
茫然自失。
自分の居る場所も分からない有様。
と言うと大げさだが、いや、ほんとうにそんな感じだったのだ。
万雷の拍手。
先ほどのインプロで陶酔しきっていたぼくは、アンコールは要らない、とも思ったが、皆のもっと聴きたい気持ちも分かる。
「Hush-A-Bye」。むろんこれ自体だって、胸かきむしるような素晴らしいバラード演奏だ。
拍手が鳴りやまない。
2度目のアンコールは「How High The Moon」。
素晴らしい夜だった。
これまで聴いた中で、最高の石田幹雄だった。
彼にもそう言った。
歯を見せて笑ってた。
石田幹雄、ありがとう。
SEE YOU AGAIN!