あうとわ~ど・ばうんど

Meaning and Mystery

Meaning & Mystery
Meaning & Mystery/Dave Douglas」(greenleaf)。全9曲61分。Douglas(tp)Donny Mccaslin(ts)Uri Cane(rhodes)James Genus(b)Clarence Penn(ds)。
ダグラスのニュークインテットらしい。が、「Infinite」(02年)のテナーサックスが、クリス・ポッターからドニー・マカスリン(と読むのだろうか?)に交代しただけとも言える。このテナー、ポッターより間口が広い感じで、ぼくとしてはこっちの方が好みですね。
で、こういう編成はどうしてもロストクインテットを思い出させ、やっぱり『マイルス』という名が出てこざるをえないが、ダグラス自身もライナーノーツでこんなことを書いている。『みんなマイルスのことを言うけど、彼の影響を受けないなんてありえない。でもそれが全てじゃない。彼の音楽は出発点なんだ。我々は彼が切り開いた道を歩んでいかなければならない』(しつこいようだが英語が苦手なので、かなり意訳かもしれないが、たぶんこんな感じ)。
続けて、こうも言う。『他にも、リー・モーガンクインテットジョーヘン=ウディ・ショウ、アダレイ兄弟、ブラクストン=ホイーラー、ジュリアス・ヘンフィル=バイキダ・キャロル、ティム・バーン=ハーブ・ロバートソンといったグループも、我々の音楽を形作る手助けになっている』。なるほど、曲ごとに、それぞれの影響を確かに感じさせてくれる。さすがはジャズオタク。しかし、そんな簡単に種明かしをするなんて、なんていい人なんだ(笑)。だが、こう戒めることも忘れない。『音楽についての説明を読んだところで、オムレツのレシピを知るためにティファニーの朝食を見るのと同じだ』。なるほど『百読は一聞に如かず』といったところか。
では、音楽を聴こう。ベストは、変化に富む展開で聴かせる②「Culture Wars」。ただし、アルバム全体ではどうかな。ダグラスの実力からすれば平均点だろうか。