あうとわ~ど・ばうんど

The Topography of the Lungs

一応、新譜ではあるのだが、復刻CDだそうです。「The Topography of the LungsEvan Parker」(psi)。70年、全6曲53分(未発表2曲追加)。Evan Parker(sax)Derek Bailey(g)Han Bennink(per)。
邦訳すれば「肺の解剖学」(なんちゅータイトルだ)。『ヨーロッパフリーミュージックの金字塔が、ついにCD化』という宣伝文句につられて、思わず買ってしまいました。たしかに、怖そうなメンバーです。当然、昨年亡くなったデレク・ベイリー追悼の意味も込められているようです。
さて、再生ボタンを押します。いきなり、ハン・ベニンクが乱打です。一体、何を叩いているんでしょう?ぼくには、建材みたいなものを叩いているとしか思えません。デレク・ベイリーはギターの弦を引っ掻いています。弾いているようには思えません。エヴァン・パーカーのサックスはキュルキュル凄い音をたてて軋んでいます。吹奏の域は超えちゃってます。
で、そんな3者の音が合わさると(あ、これって北海道弁だ)、さぞかしメチャクチャな音楽なのだろうと思いきや、まったくそんなことはありません。一応、互いの音を聴いて反応し合っているようではある。といって、全然聴きやすい音楽ではないのですが、音たちの流れに身を任せていると、だんだん心地よくなってくるから、あら不思議です。この気分、正統派ジャズファンに分かるかなあ?