あうとわ~ど・ばうんど

Atomic Clock

Atomic Clock/Mark Helias' Open Loose」(radio legs)。全10曲56分。Tom Rainey(ds,per)Tony Malaby(ts)Mark Helias(b)+Ellery Eskelin(ts)。
注目は、やはり何と言ってもトニー・マラビー。ぼくにとって、マラビーは爆発してくれればOK。なのだが、悲しいかな必ずしも爆発してくれるとは限らない。マラビー入りアルバムを聴くのは、いつも不安と隣り合わせである。いつ爆発するのか、今か今か、と待っていると不発に終わる。突然火が点いて、来たッ、と思うが小爆発にとどまる。ということを何回繰り返しただろう。「Mike Pride's Scrambler」(not two,11月30日参照)みたいな作品には、なかなか出遭えないのである。
というわけで、このアルバム。6月27日に聴いた藤井郷子オーケストラNY「Undulation」でも共演していたエラリー・エスケリンも参加とあっては、これは期待大であろう。2人で、どんな『猛獣合戦』を繰り広げてくれるのか。想像しただけでゾクゾク。というわけでまず⑤「Modern Scag」から聴こう。・・・うーむ、2人でソフトに吹いているだけではないか。エスケリンの参加は1曲のみ。ふぅ。気を取り戻して、最初から聴こう。




はい。たしかに爆発は何度かあった。特に①「Subway,」⑩「Many Nows」は、大爆発と言っていいのかもしれない。が、作品全体の音像処理が今一つ。ゆえに1ランク落として中爆発というところだろうか。むしろ、情感たっぷりな⑨「Zephyr」の方がよかったかも。