あうとわ~ど・ばうんど

Jazz at Massey Hall

久しぶりに「Jazz at Massey Hall/The Quintet」(debut)を聴く。53年、全6曲47分。Dizzy Gillespie(tp)Bud Powell(p)Charles Mingus(b)Max Roach(ds)“Charlie Chan”(as)。
いや〜、やっぱ良い! ビバップ最後の打ち上げ花火。ミンガス自身によるベースデュオ(オーヴァーダブ)、③「All The Things You Are」が実は全然別の日の演奏ということを含めても、掛け値なしの名盤である。ビバップ誕生直後、無編集の「Town Hall 1945」が出た今となっても、名盤の誉れは揺るがない。ちなみに、正式名称は「Jazz at Massey Hall, vol1」と言う(「Jazz at the Plaza」と同じ?)。チャーリー・チャンはもちろん、パーカーのことだ。
パーカーが素晴らしい。全盛期に比べるとひらめきの冴えは落ちているが、ゆったり伸び伸び楽しんで吹いている。元アルトサックス吹きであるぼくも、このパーカーは昔コピーしまくった(ちなみに、ジャズアルトサックスを志しているにも関わらずパーカーが分からないという人が、信じられないことにたまにいるらしい。好き嫌いということではなく、本当に「分からない」のだとしたら、その人はモダンジャズが分からないということなので、別の音楽に進むことをお勧めする)。もちろん素晴らしいのはパーカーだけではない。ガレスピーもパウエルもローチも、かなりの熱演(前段の事情もあり、ミンガスはちょっと別、笑)。
演奏のエキサイティングさでは、④「Wee(allen's Alley)」も甲乙つけがたいのだが、ぼくが一番好きなのは②「Salt Peanuts」。ガレスピーのシャウトに寄り添いながら、やがてパーカーのソロに雪崩れ込んでゆく瞬間、いつ聴いても何度聴いてもよがってしまう。そして、このパーカーのアドリブが完璧。パウエルのソロの後ろで、ガレスピーとパーカー?がおどけてるような声がするが、それも楽しい。編集臭いつなぎ方で(もしミンガスのソロをカットしたのだとしたら英断。勢いを途切れさせたくなかったのだろうか?)ローチのドラムソロへ。テーマに戻り、最後は「ソッピーナッ!」。 ホンット最高!!