あうとわ~ど・ばうんど

Chris Pitsiokos | Susana Santos Silva | Torbjörn Zetterberg - Child of Illusion

clean feed レーベルの新譜が届いた。まず最初に聴いたのはこれだ。

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Chris Pitsiokos | Susana Santos Silva | Torbjörn Zetterberg - Child of Illusion
clean feed, 2018)
Chris Pitsiokos (as), Susana Santos Silva (tp), Torbjörn Zetterberg (b)


われらがクリス・ピッツィオコスの新作は、ポルトガル出身のスサナ・サントス・シルヴァ、スウェーデンのトルビョルン・ゼッターバーグ(2人はCFにデュオ作品がある)とのトリオ。意外や?隙間の多いインプロだが、3者の音は空間にくっきり浮き立ち、音の連なり重なり絡まりを思うさま堪能できる。そして特に、こういうセッティングだからこそ、クリスの音の魅力への認識を新たにする。メタリックのようなビロードのような、温かさと鋭さと柔らかさと冷たさと円やかさと硬さが全て詰まった、輝かしい音色。昨年の日本ツアーでクリスに話を訊いたときはオーネット・コールマンのプライムタイムを研究しているとのことであったが、空気を擦り裂くように吹き伸ばされる彼の音(とトランペット、ベースとの絡み)には濃厚なジャズの匂いが漂い、むしろ『ジャズ来るべきもの』の「ロンリー・ウーマン」や「ピース」などにおけるオーネットを思い出させ、時にエリック・ドルフィーをも引き寄せ、得も言われぬ官能性を放つ。もちろんスピード感あふれるシーンもあるので、ご安心を。