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Michael Formanek Ensemble Kolossus - The Distance

昨年リリース情報を知った時から楽しみにしていた Michael Formanek Ensemble Kolossus のアルバムがようやく届く。

The Distance

The Distance

Loren Stillman(as, fl) Oscar Noriega(as, cl, bcl) Chris Speed(ts, cl) Brian Settles(ts, fl) Tim Berne(bs) Dave Ballou, Ralph Alessi, Shane Endsley(tp) Kirk Knuffke(cor) Alan Ferber, Jacob Garchik, Ben Gerstein(tb) Jeff Nelson(bass tb, contrabass tb) Patricia Brennan(marimba) Mary Halvorson(g) Kris Davis(p) Michael Formanek(b) Tomas Fujiwara(ds) Mark Helias(conductor)


指揮のマーク・ヘライアス(リーダーと同じベーシストである)を含めると総勢19人の大所帯。こんな売れっ子ばかりのラージアンサンブルを結成して、アルバム吹き込みまで漕ぎ着けてくれたことに、まずは惜しみない拍手を送りたい。

収録曲は冒頭のタイトル曲のほか、「Exoskeleton」という8部構成(だが5曲)の組曲の、合わせて70分以上。CDをとりあえず3回、通して聴いての感想は、id:yorosz さんが「まとまりのある、とても聴きやすい」「それほど重さも感じなかったし意外と間口の広い」アルバムと評していたけれど、それは私も同感で、ただしこれは逆説的に言うと「謎の少ないサウンド」ということでもあり、この点が実は物足りなさを感じた部分であった。

と、いきなり否定的見解を述べてしまったが、アルバムトータルとしては満足である。それには当然(笑)メアリー・ハルヴァーソンの存在が大きくて、アルバム開始からしばらくは彼女のギターの音色が聴こえずヤキモキするものの、やがてサウンドの隙間から位相を歪ませるようなアノ音が聴こえてきた瞬間、思わずにやけてしまう。何とも心憎い。そして、スタートボタンを押して40分以上たってようやく彼女のソロが出現することになる(4曲目)が、これが非っ常に素晴らしい。それまでソロを取ってきた人たちと違い、ここでの彼女の演奏は「Ensemble Kollossus featuring Mary Halvorson」とでもいうような感じで、アンサンブルもそれまでとは異なって彼女に奉仕しているのである。やはりメアリーは凄い。

ほかには5、6曲目の集団即興的な部分も面白い。5曲目では、ティム・バーンがバリトンサックスに徹しながらも強烈な存在感を放つのはまあ当然として、実は個人的に意外と好きなブライアン・セトルズ(そういえば、彼はメンバー唯一の黒人である)も密かに自己主張していて好もしい。6曲目では再びメアリーが登場して突出する。他には3曲目での、ローレン・スティルマンのアルトソロも心に残った。

メアリーもいずれ、ECM からリーダー作を出すようになるかもしれない気がしてきた。


ソロオーダーはこちら参照


EPK
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冒頭のみ
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