あうとわ~ど・ばうんど

佐藤允彦 / トリニティ

例年この時期(1月中旬)は、新規購入が小休止しがちで日記更新も滞ってしまうのが常となっている。さすがに前回のエントリから10日空いてしまったので、先日仕事の合間に地元CD店へ行き、一昨年の再発盤を購入。

トリニティ

トリニティ

佐藤允彦(p) Peter Warren(b) Pierre Favre(ds)


年末に聴いた大友良英さんの doubtmusic 新作でも感心した佐藤允彦さんが、71年にベルリン・ジャズフェスティバル出演のために渡独した際、enja レーベルに残したセッション盤。若いころの私は、ピアノによるフリージャズと言えば、山下洋輔さんに代表されるスポーティーな快感にあふれる解りやすいフリージャズを嗜好しており、佐藤允彦さんのような一聴しただけでは演奏の輪郭がつかめないようなフリージャズは、敬して遠ざけがちだった。が、最近ようやく、何度聴いても印象の変わるような、こうしたフリージャズが愉しめるようになってきた(むろん、解りやすいものも大好きである)。佐藤さんのピアノには難解な所などないのに、全体としては常に謎を兆発する響きがある。そうした性向はこの当時も現在も変わらない、というのだから流石と唸るほかない。