あうとわ~ど・ばうんど

John Coltrane Quintet / Complete 1961 Copenhagen Concert

年末にタワレコに寄った時、この手の発掘・復刻ものセールをやっていて、これは持っていなかったので購入。

COMPLETE 1961 COPENHAGEN CONCERT

COMPLETE 1961 COPENHAGEN CONCERT

John Coltrane(ts, ss) Eric Dolphy(as, fl, bcl) McCoy Tyner(p) Reggie Workman(b) Elvin Jones(ds)

1961年11月20日コルトレーンクインテット欧州ツアーでのコペンハーゲン・ライブ。コルトレーンが(公表音源の中で)唯一「Delilah」を演奏しているライブとして有名(かどうかは知らない)。

1日のヴィレッジヴァンガード・セッションから始まったこの年の11月(から12月初旬にかけて)のコルトレーンクインテットは、日付順に音源を聴いていくと、なかなか面白い(というほど私自身も持っているわけではないけれど)。特にエリック・ドルフィーファン目線に立ってみると、ヴィレッジヴァンガードではまだグループにとっては異物というか客演にすぎなかったものが、日を経るにしたがって、ドルフィーがグループの一員として存在感を増してくる。その極点たるものが、27、29日の「THE UNISSUED GERMAN CONCERTS」で、そこでは、これはもうはっきり言って、ドルフィーを引き立てるためにグループが存在していると言って過言でないほどにドルフィーのヤバさが全開となっている。本作はそこまでは行かないにしても、その端緒は感じ取れるという意味では興味深いドキュメントだ。

ちなみに、ドルフィーはその後もコルトレーン・グループに在籍し、バードランド・ライブのような成果も残しつつ、翌年2月いっぱいでグループを去ることになる。その後、コルトレーンが黄金カルテットを(結果として)確立していくのに対し、ドルフィーは(録音上は)不遇のフリーランス時代となってしまうのが、なんともやるせない。

(ところで、コルトレーンバンドにおけるマッコイのソロはいつも単調で、しかも長い。この頃のコルトレーンバンドの演奏長尺化(しかも大体中だるみする)の半分以上はマッコイの責任ではないだろうか)。

きょう聴いた他のCD

上のようなことを書きつつ、マッコイのCDを聴いていたりする(ただし、目的は1970年のウェイン・ショーターだ)。でも、2曲目の出だしが、アンドリュー・ヒルみたいで驚いた。


EMERALD HILLS
Nicole Mitchell's Sonic Projections
Rogue Art, 2011年
Nicole Mitchell(fl, afl, piccolo, vo) Craig Taborn(p) David Boykin(ts) Chad Taylor(ds, per)

相変わらず、Nicole Mitchell のアルバムは当たり外れが大きいが、クレイグ・テイボーンが良いからいいか。