中央線ジャズ
「中央線ジャズ決定盤101 (CDジャーナルムック―SUPER Disc SELECTION)」(音楽出版社)。
いわゆる「中央線ジャズ」を紹介する初のディスクガイド本が登場した。
取り上げられているのは高柳昌行、本田竹広、板橋文夫、山下洋輔、渋谷毅、阿部薫、松風鉱一、古澤良治郎、沖至、小田切一巳、森山威男、武田和命、梅津和時、藤川義明、明田川荘之、原田依幸、榎本秀一、早川岳晴、加藤崇之、片山広明、峰厚介、林栄一、板谷博、石渡明廣、坂田明、小山彰太、大口純一郎、藤井郷子・・・・・・・と、ぼくにとっては十数年来愛好する、ストライクど真ん中の演奏家ばかり。
もちろん、あの人は? あの作品は? という疑問はあって、そういうことを言い始めるとキリがないけれど、一つだけ、なぜ篠田昌已の作品がないのか? ということは指摘させてもらいたい。
紹介されている101枚のうち、現在ぼくが所有している作品は43枚あった。現在はないが、かつて持っていたものは25枚。合わせて7割近くになる。また、持っていたことはないが聴いたことはあるものを足せば、8割にも達する。というわけで、あまり新味はないのだが、あらためて魅力を再確認・新しい魅力を発見するために重宝しそう。
誰とも交流できるし、どこへも、どの人の心にも響く良心のあるイイ音楽は、すべて“中央線ジャズ”である。というようなことを、あとがきで明田川が書いている。「奥野義典スペシャル Live in AKETA」の例や石田幹雄の名を持ち出すまでもなく、北海道にもその系譜に連なる音楽家たちはいて、8月のばんけいジャズフェス2008(10日参照)は、心に響く交流の祭典になると楽しみにしている。