あうとわ~ど・ばうんど

HOXHA

昨日のブラクストンも在籍するAACMは他にも、リチャード・エイブラムズやアートアンサンブルオブシカゴ、レオ・スミス、ヘンリー・スレッギルなどの精鋭たちを輩出しているが、AACM派と一括りにできない1人1スタイルの多様性がある。AACMは黒人ジャズの運動体だが、その命脈はシカゴを中心に活動する白人にも受け継がれているに違いない。そう。ケン・ヴァンダーマークである。
旧譜より。「HOXHA/Rutherford / Vandermark / Muller / van der Schyff」(spool)。04年、全6曲63分。Paul Rutherford(tb)Ken Vandermark(ts,cl)Torsten Muller(b)Dylan van der Schyff(ds)。
こんなレーベルにも、ヴァンダーマークが参加しているとは知らなかった。作品は、端整な集団即興という趣きで非常に面白い。が、どうしてもヴァンダーマークに耳が偏りがちになる。①「King Ghidora」⑤「Dagahra」終盤のテナーサックスの深いコクが、やっぱりたまらんなあ。
ところで。気付いた人もいるだろうが、このアルバムの曲タイトルは他に「Angilas」や「Baragon」というものがあり、なかなか日本男児の郷愁をくすぐってくれる(「Rokurokubi」なんてのもある!)。メンバーの誰かがマニアなのだろうか。ま。タイトルと演奏内容はおそらく関係ないが。