あうとわ~ど・ばうんど

Furniture Music

おなじみケン・ヴァンダーマークの旧譜から、サックスソロ作を。「Furniture Music/Ken Vandermark」(okka)。02年、全18曲66分。Vandermark(cl,bcl,bs,ts)。
①「Resistance」から強烈な、クラリネットの高音攻撃。先日取り上げたエヴァン・パーカーに捧げた演奏。人によっては、楽器が軋んでいるようにしか聴こえないかもしれないが、こういうの聴くと、ぼくはどうしても反射的に嬉しくなってしまう。続く②「Horizontal Weight」は、バリトンサックスで攻める。ペーター・ブロッツマンに捧げられている。
ちょっと飛んで、⑤「Immediate Action」はテナーサックスで、これでもかこれでもかの咆哮。さらに飛んで⑪「Indeterminate Action」のバスクラもスゴイ。だが、本当に凄まじいのは⑬「(brullt)」だ。バリトンサックスが壊れるんじゃないかと思うほどの超轟音である。
と、音量の大きい曲ばかり取り上げてきたが、⑧「Would A Proud Man Rather Break Than Bend」のように、実にしみじみした音楽も演奏し、メリハリが利いている。そして何よりも、全体を通して聴くと印象に残るのが、“間”というか、静けさなのである。うーん、癒されるわ(こればっか、笑)。