Americans Swinging in Paris
先日の「Sound Grammar」と共に、面白そうなアルバムを何点か買った。本日以後、紹介していくことになるだろう。
というわけで、これ。「Americans Swinging in Paris/Art Ensemble Of Chicago」(emi)。03年、全8曲74分。Fontella Bass(p,vo)Lester Bowie(tp,flh,per)Roscoe Mitchell(as,ss,fl,per)Joseph Jarman(as,ss,fl,bassoon,oboe,per)Malachi Favors(b,per)Don Moye(ds,per)。
タイトルからは分からないが、このアルバム、実は「Les Stances a Sophie」(70年、①−⑥)と「People in Sorrow(苦悩の人々)」(69年、⑦⑧)のカップリングCDらしい。なぜ「らしい」なのかというと、オリジナル盤を聴いたことがなくて判断できないからなのだが、たぶん間違いない。
さて。①「Theme De Yoyo」から楽しい。ソウルフルな女性ヴォーカル、周囲もノリノリ。②−⑤の民族音楽テーストを含んだ不可思議(全く関係ないが『不可思議』は、10の64乗というトンデモナイ数の単位でもある)なハーモニーも、心安らぐ。⑥「Theme “Libre”」のドシャメシャ加減も最高。⑦⑧は、②−⑤の要素を押し広げたようにも聴こえるが(年代的には逆だが)、響き的には良いものの何となくピンと来ない。ぼくには、この趣きを理解するにはまだ時間がかかりそうだ。
しっかし。国内メジャーレーベルから雨後の竹の子のようにリリースされる金太郎飴ジャズが3000円もするのに、このアルバムはその半分以下の値段で買える。いい時代に生きているというべきか、文化的状況が間違っているというべきか・・・