あうとわ~ど・ばうんど

Scatter

Scatter
CDの山、最後の一枚にようやく辿り着く。「Scatter/Human Feel」(GM)。91年、全9曲60分。Jim Black(ds)Chris Speed(ts)Kurt Rosenwinkel(g)Joe Fitzgerald(b)Andrew D'Angelo(as)。
5日前にも取り上げたヒューマン・フィール。時系列的には、こちらの作品の方が前になる。「Speak to It」のようなグループインプロ重視ではなく、メンバー個々のソロに比重を置いた演奏になっている。言い換えれば、元々は、よりジャズ的な演奏をしていたということになる。といって「Speak〜」より後退的だと言っているわけではない。むしろ、こちらの作品の方が、喚起力に富んでいて面白い。
特に②「Eyes Cries」での、篠田昌已林栄一を思い出させるディアンジェロのアルトサックスの音色の艶やかさ。③「Older Spots」ではクリス・スピードが、イメージを裏切る猛々しくそしてよく歌うテナーサックスソロ。アルバム全体も、中央線ジャズに通じる、豊かな魅力が溢れる。掘り出し物。