あうとわ~ど・ばうんど

Charles Gayle Trio

今月は一体どうなっておるのだ? またしても、物凄い新譜が届いた。「Live at Glenn Miller Cafe/Charles Gayle Trio」(ayler records)。全7曲64分。Gayle(as)Gerald Benson(b)Michael Wimberly(ds)。
Live at the Glenn Miller Cafe
スウェーデンのジャズ前線基地「グレン・ミラー・カフェ」での、今年2月のライヴ。ゲイルは全曲アルトサックスを吹く。①メンバー紹介を経て、全速力の②「Cherokee」に、まず度肝を抜かれる。③は「Softly As In A Morning Sunrise」。なんじゃこりゃ(笑)。常軌を逸したデフォルメが最高。エンディングも面白い。ちなみに②③ともに、うかうかしているとテーマメロディーは聴き取れない。
④はゲイルのオリジナル曲メドレー。急速調の「Chasing」から霊歌ふうの「Praising The Lord」へ。それにしても、ゲイルのアルトサックスの音は信じられないぐらいぶっとい。⑤は、ななななんと「Giant Steps」。ゲイルは一応、雰囲気をとらえているが、きっちり短3度4度進行に則っているかどうかとなると、ぼくの耳には聴取不能(たぶん気の赴くまま。だと思うんだが)。⑥「What's New」は、静かに歌を絞り出す。
そして最終曲は、再びメドレー。ゲイルのオリジナル「Holy Redemption」から。ひとしきり盛り上がると、奇妙な静けさの空間が出現。そして、ゲイルが発したメロディーは「Ghosts」ではないか! アイラーに迫らんとする魂の肉声が心に響く。傑作。