あうとわ~ど・ばうんど

Decoy

久々に「DecoyMiles Davis」(columbia)を聴く。84年、全7曲39分。Miles(tp,syn)Branford Marsalis(ss)Bill Evans(ss)John Scofield(g)Robert Irving(syn)Darryl Jones(b)Al Foster(ds)Mino Cinelu(per)Gil Evans(arr)。
Decoy
ジャズの聴き始めがマイルスの「TUTU」だったせいか、後期マイルス(という言い方が適当かどうかは分からないが)は今でもよく聴くのだが、このアルバムは実は、あんまり聴かない。
注目はブランフォードが参加してることだが、単に参加してるだけ(笑)。線が細く、足取りも覚束ない。ビル・エヴァンス参加のトラックを聴けば、エヴァンスの方が音にキレとパワーがある(こっちはライヴ録音だからかもしれないが)。ちなみに、マイルスがブランフォードをメンバーに誘ったのは、この音源を聴く限りでは、彼に惚れ込んだのではなく、単純にエヴァンスに飽きただけのような気がする。
まあ、文句ばかり言っていてもしょうがない。④「Freaky Deaky」が意外に聴き物。ホーン、ギターは参加せず、マイルスもシンセだけを弾く。もちろん70年代のあの邪悪オルガンには及ばないが、マイルス特有の不思議な冷たい妖気はしっかり感じさせる。
ところで、中山康樹の「マイルスを聴け!〈Version6〉 (双葉文庫)」に、こんな記述がある。(「デコイ」のレコーディングに)『ぼくが行ったときは、サックス陣がビル・エバンスブランフォード・マルサリスジョージ・アダムスの3人』(双葉文庫、04年9月発行第1刷、538頁)。なんとジョージ・アダムスまで! たぶんギルの紹介で参加したのだろう。結局アルバムには入っていないが、このポップな軽さの中でアダムスがどんな役割を担ったのか。ソロはとったのか。非常に気になる。ブートで流出してくんないかな。