あうとわ~ど・ばうんど

Antitheses

普段の態度に似合わず、今日はこんなアルバムを聴き返している。「Antitheses/クリヤ・マコト」(paddle wheel)。クリヤ(p)納浩一(b)大坂昌彦(ds)岸田容男(ds)。98年、全11曲49分。
一時期、アニメや特撮のテーマをジャズ化したアルバムが、やたらリリースされていたことがある。ぼくはそれを横目に、鼻でせせら笑っていた。かと思いきや、実は買いまくっていた(面目ない。でも、ジャズ研に在籍したことのある人だったら、おそらく一度はアニソンのジャズ化を夢想したり或いは実際にやったことがあるに違いない。と勝手に思っている。かくいうぼくも昔、植木等の不朽の名曲「ハイそれまでョ」のジャズ化を構想したことがある。前半をサックスでムーディーに吹き、『てなこと言われてその気になって〜』のくだりからフリージャズに突入(原曲はツイスト)、そのままソロに移行し、ひとしきりやった後、『ふざけやがってふざけやがって』と合図を出し、『コノヤロー』をフリークトーンでぶちかます。一瞬のブレークの後、『泣けてくーるー』を「チュニジアの夜」のエンディングのように締める。というものだった。ま、ぼくはそもそも、ムーディーなサックスを吹くことができませんが・・・)。
おっと、それはともかく「Antitheses」だ。結構イイのだ、これが。②⑧「ルパン三世のテーマ'78」ファンク風(最後のリフの半音上げがカッコイイ)。エヴァのエンディングテーマだった③「Fly Me To The Moon」(ピアノソロは、なぜか「All The Things You Are」的進行に。そういえば、元々よく似てる)。④「真っ赤なスカーフ」ソウル風。⑦「ムーンライト伝説」ジャングル風。といった具合。そして、ベストはガンダムの⑥「哀 戦士」。この曲でのクリヤのソロが素晴らしい。特に4分30秒前後、美味しいフレーズが連発。