あうとわ~ど・ばうんど

Hot Waltz

Sun Shipというグループをご存知だろうか? 以前どこかで、彼らの第1作「Live at “Porsche”」を聴いたことがあり、強く印象に残っていたのだが、先日第2作「Hot Waltz」を発見、購入した次第。並木崇(as,ss)村上俊二(p)川崎聡(b)北村和重(ds)。04年、全6曲49分。
コルトレーンのアルバムから取ったバンド名が示すように、強力なモーダル系の曲が中心だが、演奏を聴いた印象はむしろ、アダムス=プーレン・カルテットと板橋文夫在籍時の渡辺貞夫カルテットを足して2で割り少し希釈して和風ドレッシングをふんだんに利かせたような、70年代日本人ジャズの持っていた旧き良き懐かしき熱き薫りが濃厚に漂う。
疾走感溢れるタイトル曲①から、見事に釣り込まれる。アルト、ピアノとも、気合の入った激情ソロを聴かせるが、その中に日本人ジャズしか持ち得ない情念をたっぷり染み込ませる。ゆったりしたテンポの曲では更に顕著で、②「Tomorrow」など実に『演歌』の世界。スタイリッシュな演奏が何かともてはやされる今の時代、こんな愚直なジャズがもっともっとあっていい。