あうとわ~ど・ばうんど

Intermission

あらかじめお断りしておきますが、
今日は音楽の話は一切無し。
ただの昔話。



当時の手帳によると、9年前の今日。大学を卒業したことになっている。
ただし、卒業式の記憶は全くない。会場を出た後、後輩に花束をもらった(そういう風習があった)記憶があるだけだ。
その晩、ジャズ研の連中と飲みに行った。だが、それも朝までほとんど記憶がない。酔って記憶が飛んだわけではない。むしろ、ずっと醒めていた。ように思う。
翌朝。始発に乗った。ずっと、心の中に何かわだかまっているような気がしていた。
そして、列車がガックンと動いた瞬間。
なぜか涙が出てきた。そして
何かが決定的に失われて、取り返しがつかない気がした。
何が? いまだによく分からない。



それから数年後、ある後輩にこんなメールを送った。
「目が覚めたら大学生に戻っていて、今の生活が全部合宿所で見た夢だったとしたら、どんなに素晴らしいだろう」
後輩からは、すぐに返信がきた。
「それはステキですね」
後輩も、あんな朝を過ごしたのだろうか?