あうとわ~ど・ばうんど

Crumbling Steeple

新譜から。「Crumbling Steeple/飛頭」を聴く。全5曲71分。ミドリトモヒデ(as)塚本真一(p,elp,org)菊地雅晃(b,electronics,syn)イトケン(ds)。
「Le son sauvage」では最終曲を飾っていたバンド。ちなみに、ミドリも名を連ねた菊地のKikuchi Art Quartetに参加していたトロンボーン吹き(10年ぐらい前、何度か一緒に演奏したことがある)のことを思い出した。もっとも、ただ思い出しただけなのだが。
ライナーノーツで⑤「夜の東京放射16号」について、菊地が書いている『クルマでボーっと流している時に、ふと気が付いたら、寝静まり灯かりもまばらな大都会の上空700mを、音もなく滑空していた』という言葉が、アルバム全体の説明にもなっている気がする。曲のテンポは遅く、あまり盛り上げず淡々と、浮遊感のある演奏を展開する(そのため1曲10分前後から20分弱という「長さ」が必要だったのだろうと思う)。タイトル曲③、かすれた音色のサックスと、リズム陣の間を生かした演奏が滋味深い。