あうとわ~ど・ばうんど

Svengali

ネタに困ったときの(?)名盤探訪シリーズ。「Svengali/Gil Evans」。73年、全6曲40分。
好きな曲は②「Blues In Orbit」。ジョージ・ラッセルの作曲が変なのかギルのアレンジが変なのか、原曲を知らないので分からないが珍妙な導入部から、一聴して編集と分かる奇妙な切断(たぶん意図的。でなければ、こんなみっともない切り方しないと思う。アルバム中、何箇所か見受けられる)を経てサンボーンのアルトが飛び出す。この瞬間がたまらない。サンボーンのアドリブは、スティーヴ・コールマンの元祖みたいなうねうねぐねぐねしたホリゾンタルなスタイルで攻める。今のサンボーンより、こっちの方が好き。後を受けるビリー・ハーパーも熱い。
ところで、ギターが主旋律を弾く⑤「Summertime」。マイルス『ポーギーとべス』版にはないエンディングの力強い盛り上げを聴くと、⑥「Zee Zee」で鋭いトランペットソロを聴かせるハンニバルに吹かせたほうが面白かったんじゃないか(ただしオープンで。ミュートだと当然、分が悪いから)。という気がする。