あうとわ~ど・ばうんど

Black Sprit

Roland Kirkの新ブート「Black Sprit」を聴いた。どうでもいいが、Spiritかspriteの間違いじゃないのかなぁ、このタイトル。Spritは船の斜桁だ。ま、タイトルはともかく、このアルバム、イイ。まず、音質がクリアなことに驚く。このまま公式盤として発表できるんじゃないか。それと、自分はラサーニアンではないので(笑)あまりよく分からないけれど、ここでのカークはかなり好調のように思える(マニアの方には「そんなのラサーンにとっては、いつものことだ」とお叱りを受けるかもしれないが)。
1972年3月3日、ドイツはハンブルグでのライヴ(らしい。ブートDVDかなんかが出てるようだが、自分は分からない)。2枚組全16曲(メンバー紹介含む)103分(1枚目69分、2枚目34分)。メンバーはKirk(ts,etc)Henry Pearson(b)Ron Burton(p)Joe Texidor(per)Richie Goldberg(ds)、ドラム以外は70年代ラサーン・バンドではおなじみの面々。
それにしても、さすがブート(笑)曲表記がいいかげんだなあ。1枚目、冒頭曲は「Blue Train」だが、ジャケでは最終10曲目になっている。2枚目も同様。1曲目は「Volunteered Slavery」(いろんな曲が混ざってるような気もするが)だろう。ところが、それが最終6曲目と記載されている。で、2枚とも、クレジット順と実際の曲順が、1曲ずつズレてるという…
でも演奏内容には関係ない。2枚目のフルート(だよね?)による幽玄の美もよかったが、やっぱり1枚目だろう。Blue Trainで始まり、モーダル系の知らない曲が数曲続いて、メンバー紹介。My Girlが出て、Seasons、Pedal Up、Lush Life、Afro Blueとおなじみのナンバーが来る。個人的には1曲目、12分に及ぶ激しいテナーブロウがたまらない。サディスティックなまでに、何度も何度も絶頂に達する。聴いてるこっちは、そんなに体もたないよ、だけど気持ちいい、みたいな(何言ってんだオレ)。中でも5分30秒前後あたりから7分ぐらいまでが、とても壮絶。もしコルトレーンが生きてたら、嫉妬したかもしれない、と思わせるほどだ。