あうとわ~ど・ばうんど

Charles Gayle

今年DVD化されたフリージャズ・ドキュメント・ムービー「Rising Tones Cross」(輸入盤、リージョンフリー)で、初めてCharles Gayleを知った。
映画は、1980年代前半のニューヨークのフリージャズ・シーンをとらえたもので、計10グループのライヴが収められている。10グループの中には、Peter Kowald(ベースソロに超感動した)、Rashied Ali、Marilyn Crispell、Don CherryPeter Brotzmann、David S. Ware、Frank Wright、William Parker、John Zorn(若い!)といった人たちが見受けられる。中でも、ロングインタビューがフィーチャーされるなど、主役級の扱いを受けていたのがチャールズ・ゲイルだった。
ゲイルは少年時代はピアノ、19歳からサックスを独学で始めたという。その後、ニューヨークでおよそ15年間にわたってホームレス生活、小銭と引き換えに演奏する日々を送ったのだという(映画はゲイルがストリートで演奏する場面で始まる)。
最近、ゲイルの「Shout!」(リリースは昨年)というアルバムを聴いた。メンバーはGayle(sax)Sirone(b)Gerald Cleaver(ds)のサックストリオ、全8曲72分。題名どおり爆裂の場面はあるものの、スタンダードも3曲含まれており(ただしメロディーが分かる程度。なんとなくアイラーの初期作品に似た雰囲気)、全体を通して聴くとなんとも豊かな「歌」を感じさせる。
個人的には2曲目「Glory Dance」の疾走、3曲目「What's New」での包容力の大きな歌心、ゲイルのピアノソロによる6曲目「I Can't Get Started」での躍動が印象に残った。