あうとわ~ど・ばうんど

At the Mountains of Madness

来たっ!! 間違いなく今月のベスト1だと断言するっっ!!!
いやいや、冒頭から興奮して申し訳ない。John Zorn 50th Birthday Celebrationシリーズ4作目として昨年出たElectric Masadaの新作「At the Mountains of Madness」が届いた。
Electric Masadaは、電化マサダというかハードロック・マサダというか凶悪マサダというか、とにかく、マサダの楽曲をエレクトリック・カバーするバンド。John Zorn(as)Marc Ribot(g)Jamie Saft(key)Ikue Mori(electronics)Trevor Dunn(b)Joey Baron(ds)Kenny Wollesen(ds)Cyro Baptista(per)のオクテットだ。
2枚組全15曲157分。昨年のヨーロッパツアーからの狂乱ライヴ選集。神様ゾーン様のアルトのエゲツないまでの吹きっぷり。リボーのギターも異次元へ突き抜ける。サフトのキーボードも常軌を逸しているし、イクエ・モリのエレクトロもぐっちょんぐっちょんだ。トレヴァーのベースがしっかりボトムを支え、二人のドラムとパーカッションも千万無量千変万化のリズムを叩き出す。
このメンバーならではの阿鼻叫喚無間地獄のような爆裂サウンドがあったかと思うと、マサダ特有の美しい曲もある。しかし、ただの美しさではない。まがまがしい白日夢の美だ。どの演奏も、すべての瞬間が最高だ。聴きながら、形容しがたい昂揚感が体を支配していた。聴き終わったとき、どうしていいか分からず、思わず立ち上がってしまい、拳を何度も何度も宙に突き上げてしまった。



ジョン・ゾーンは嫌いだけどマサダは好き、とか言う甘っちょろい人がたまにいるが、そういう人に、このアルバムを大音量エンドレスで聴かせたい。