Jean Derome Louis Sclavis Quartet - Un Moment de Bonheur
- アーティスト: Jean Derome,Louis Sclavis
- 出版社/メーカー: Victo
- 発売日: 2003/04/22
- メディア: CD
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ルイ・スクラヴィスではなくジャン・デローム目当てで購入。デロームはずんぐりむっくりした田舎の工場経営者のような風貌(失礼)ながら、ソリッドなアルトサックスプレイで、好きな奏者なのである。本盤はそのデロームとタンギーのカナダ(フランス系)勢と、スクラヴィスとシュヴィヨンのフランス勢が邂逅して2001年に行われたライブで、作曲と即興が融合し、田中啓文さんも評するように音楽の喜びにあふれた演奏である。なおデロームは、本作にも参加するタンギーらと「Trio Derome Guilbeault Tanguay 」(あまりにもそのままで笑ってしまうネーミング)というグループを組んでいて、自作曲に加えてドルフィーやらエリントンやらカークやらメンゲルベルグやらコニッツやらトリスターノやらの曲もやっているので、興味を覚えた人はぜひ聴いてもらいたい(13年2月16日参照)。
Julius Hemphill & Abbdul Wadud - Live In New York
引き続き中古盤の収穫から。
- アーティスト: JULIUS HEMPHILL&ABDUL WADUD
- 出版社/メーカー: RED
- 発売日: 2009/04/01
- メディア: CD
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ジュリアス・ヘンフィルと盟友アブドゥル・ワダッドとの1976年のデュオ。ヘンフィルのアルトは、ブルースフィーリングのあるオーネット、という感じなのだが、それはオーネットに比して、という話であり、シカゴの AACM に対抗して(?)セントルイスで結成された BAG(Black Artists' Group)の創設者の一人であるわりには、そんなに黒々としているわけでない。そういえばヘンフィルもオーネットも、ともにテキサス州フォートワースの生まれで、テキサス州といえば一般にはブルースの牙城と思われがちだけれど、こういうジャズミュージシャンたちを輩出している、という現象はなかなかに興味深いと思う(ちなみに他にはデューイ・レッドマンやプリンス・ラシャ、ロナルド・シャノン・ジャクソンなど)。ワダッドのチェロもブルージーでありながらフォーキーでもあり、このあたりは、ヘンフィルの弟子のひとりであるティム・バーンとフォーキーなチェロ奏者ハンク・ロバーツのコラボレーションの源流をみる思いでもある。
Rashied Ali Quartet - New Directions In Modern Music
とにかく中古盤を聴いていかないと減らないのだ。
New Directions in Modern Music
- アーティスト: Rashied Ali
- 出版社/メーカー: Knitting Factory
- 発売日: 2000/04/11
- メディア: CD
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カルロス・ワード目当てで購入。セシル・テイラー・ユニットをはじめ、数々のスタープレイヤーたちに引き立てられた彼のアルトサックスは、フリージャズプレーヤーとして決して抜きんでた存在というのではないけれど、その陽性なプレースタイル(人柄までそうなのかは知らない)がとても好きなのだ。本作の一曲目における彼のアルトプレーにも、そうした美点がよく表れている。録音が1971年だからラシッド・アリもまだ脂がのっているし、60年代から疾走してきたようなフレッド・シモンズのピアノもかっこいい。実はこのアルバム、昔一度聴いたことがあるはずなのだが、その時はいったい何が気に入らなかったのであろうか?
ところで今回これ以外にも、ワード目当てで買ったCDがあったのだが、いいも悪いも、面白くもつまらなくもない、何とも言いようのない盤で、すごく困った。
参考動画(映像は無関係)
www.youtube.com
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Eric Dolphy & Booker Little Remembered - Fire Waltz
中古盤セールの時に見かけて、第1集(15年12月16日参照)よりつまらなかった記憶しかなかったが、えーいついでだ、と買ってしまった。
Fire Waltz: Eric Dolphy & Booker Little Remembered...Vol. 2
- アーティスト: Blanchard,Harrison,Waldron
- 出版社/メーカー: Evidence
- 発売日: 1993/11/25
- メディア: CD
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エリック・ドルフィーとブッカー・リトルによるファイブスポット・ライブから25周年の86年に、当時のリズムセクションが再結集し、夭折した2人に代えてテレンス・ブランチャードとドナルド・ハリソンを迎えてライブ録音されたアルバムの第2弾。冒頭でも書いたが、第1集よりつまらなかった印象は、20年たっても変わらなかった(ファイアー・ワルツのテンポが悪いよ。笑)。ドナルド・ハリソンがブランチャードとは違って、原典をしっかり予習して臨んだことはよく分かるのだけれど、なんというか、演奏がヘルシーすぎるんだよね。
Anthony Braxton's Charlie Parker Project 1993
引き続き中古盤を聴いていく(ヴァンダーマークの6枚組新作も届いているが)。
- アーティスト: Anthony Braxton
- 出版社/メーカー: Hatology
- 発売日: 2007/01/30
- メディア: CD
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1993年10月、スイスで行われたアンソニー・ブラクストンによるチャーリー・パーカー・プロジェクト・ライブ。21日の演奏が1枚目に、22と23日の演奏が2枚目に収録され、ドラムがそれぞれ違い、1枚目がハン・ベニンク、2枚目がフェローン・アクラフとなっている。先日のサークルでもそうだが(紹介した盤は違うけれど)、ブラクストンのスタンダード類の演奏は伝統とアヴァンギャルドな演奏が融合し、とても魅力的だ。もしわたしがスタンダードをサックスで演奏するなら、ブラクストンのようにか、あるいはエリック・ドルフィーのように吹けるようになりたいものだ、と心の底から思う。ここでもチャーリー・パーカーのオリジナル曲を題材に暴れまくり、特にテーマをすっ飛ばしていきなりブラクストンのアドリブから始まる1曲目「Hot House」はスリリングだ。管楽器はブラクストンのほか、ハードバップ寄りのアリ・ブラウンや融通無碍なポール・スモーカーのプレイが三者三様で面白いが、ミッシャ・メンゲルベルクのピアノも特筆すべき素晴らしさで、流麗なストレートジャズとフリープレイを縦横無尽に駆けめぐる。メンバー全体、バップの伝統に則りつつ個性を発揮しているのも好もしい。1枚目と2枚目で共通して演奏されている「A Night In Tunisia」と「Klactoveesedstene」はアレンジが大体同じなので、聴き比べてみるのも一興だろう。ところで昔、有名なジャズ店主が「ブラクストンが好きという人間より、マクリーンが好きという人間の方が、ジャズファンとして信用できる(大意)」と書いていたのを読んだことがあるが、わたしならどちらも信用しますけどね(むしろブラクストン好きの方が深く分かってる気がする)。その店主が、ブラクストンとマクリーンの弟子によるラップとの共演アルバムを、2016年のベストに選んでいたので思いだした。
Chick Corea - Circle 2 Gathering
新譜でも再発新譜でもないアルバムに関して、「旧作」タグを設定しました。中古盤やただの旧作CDを買った時、あるいは持っているアルバムを聴き直した時などに使用していきます。というわけで、溜まりまくっている中古盤を聴いていく。この作品は1枚目のみ持っていた(昨年5月5日参照)。
- アーティスト: チック・コリア,デイヴ・ホランド,アンソニー・ブラクストン,バリー・アルトゥシュル
- 出版社/メーカー: MCAビクター
- 発売日: 1996/07/24
- メディア: CD
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「サークル」のディスコグラフィーを整理しておくと、結成が1970年夏ごろ、初期の姿がブルーノート・レーベルに記録された(Early Circle)後、11月に「サークル1?ライヴ・イン・ジャーマニー・コンサート」、翌年1月にブラクストン抜きで「A.R.C.」、2月の「パリ・コンサート」を経て、3月に本作が吹き込まれ、秋には解散し、チックはRTFへと活動の軸を移すこととなる。本作はパリコンサートまでレパートリーにあったスタンダード類が演奏されず、即興40分一本勝負となっているのだが、面白いとは思うけれどチックの存在感というか演奏密度が今一つという印象を受けてしまうのは、その後の歴史を知っている先入観だけだろうか。
Prima Materia with Rashied Ali - Meditations
プリマ・マテリア(1日参照)のアルバムをもう一枚買っていた。というか、昨日、中古店を訪れた際こちらも売っていたことに気づいた次第である。
- アーティスト: Prima Materia
- 出版社/メーカー: Knitting Factory
- 発売日: 1996/03/19
- メディア: CD
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先日はアイラーの「ベルズ」カバーだったが、こちらのテーマはコルトレーンの「メディテーションズ」。コルトレーンは「至上の愛」以降、組曲志向が強まり、幾つかの組曲を残していて「メディテーションズ」もその一つ。とはいえ「至上の愛」があまりに完成されすぎていたために、柳の下に「至上の愛」を超えるどころか同じ大きさのドジョウすらいない結果になったのだが、それはともかくとして、ここでもルイ・ベロジナスの吹きっぷりはお見事である。相変わらず途中でだれる、というか退屈な瞬間(特にラシッド・アリのソロ)はあるものの、ベルズよりジャズ寄りのためか、皆気持ちよさそうにスイングしている個所も散見される。
参考動画(全曲ぶっ通し)
www.youtube.com