あうとわ~ど・ばうんど

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Eric Dolphy & Booker Little Remembered 他

パドル・ホイール・レーベルは、私のジャズ聴き始めからジャズ研に入ってさらにのめり込んでいった時期に活動していたレーベルということもあり、懐かしさに牽きずられて、「トリビュート・トゥ・ジョン・コルトレーン~セレクト・ライブ・アンダー・ザ・スカイ'87“10th スペシャル"~」(9日参照)以外にも何枚か購入してしまっている。そのうちフロントラインの共通する2枚。まずは

Terence Blanchard(tp) Donald Harrison(as, bcl) Mal Waldron(p) Richard Davis(b) Ed Blackwell(ds)


エリック・ドルフィーブッカー・リトルによるファイブスポット・ライブから25周年(録音日付からいえばリトルの没後25周年という方が相応しい。録音は10月3~4日、リトルの命日は10月5日)の86年、当時のリズムセクションが再結集し、夭折した2人に代えて、この時期に双頭クインテットを率いていたテレンス・ブランチャードとドナルド・ハリソンを迎えてライブ録音されたアルバム。オリジナルに感動したリスナーを取り込もうという魂胆が見え見えのいかにも日本企画盤で、一部のファンには「偉大な演奏を汚すな」という意見もみられるのだが、私はおおむね好意的である。これは「トリビュート・トゥ・コルトレーン」と同じで、原典の再現性や相似性にこだわって聴くよりも違いを楽しむべき作品だと思っていて、ハリソンは「ドルフィーに影響を受けた」と当時公言していたと思うのだが、たしかに1曲目「ザ・プロフェット」では(この曲は、当ブログでいちばん初めに取り上げたほど私にとって特権的な曲で、ドルフィーのアドリブをほとんどそらで思いだせるので、オリジナル演奏を頭の中で対照しながら聴くことができるのだが)ドルフィーのオリジナルを聴き込み消化したうえで演奏してドルフィー的ニュアンスがにじみ出ていることが分かって嬉しくなるのであり(ただしこの曲のみ)、続くブランチャードはリトルのことなどお構いなしといったふぜいで自己スタイルで押し通し、面白いのがマルで、オリジナルを聴き返したのかどうか知らないけれど、当時のフレーズもそこかしこに出ているのだが、60年代の打鍵的スタイルが25年も経つと耽美派にシフトしたんだなあと感じる、といった具合である。


ついでにもう1枚。意外な盤を聴く。

Art Blakey(ds) Terence Blanchard(tp) Donald Harrison(as) Jean Toussaint(ts) Mulgrew Miller(p) Lonnie Plaxico(b)


この盤には思い出があって、ジャズ研に入りたての頃、学内パーティーでの演奏依頼が舞い込み「にぎやかで盛り上がる演奏を」という要望で、ホーンセクションもいっぱい並べようということになって、もっとも「いっぱい」と言ったところで、そもそも単科大学の少人数ジャズ研だったものだから総勢が少なく、初心者の私まで駆り出して頭数をそろえ(当然ソロなし)、演奏したのがこのアルバムのアレンジの「ブルース・マーチ」と「モーニン」だった。「ジョディ」も演奏したような気もするが、覚えていない。ついでに言えば、他に「ナイト・トレイン」とか「A列車」みたいな定番もあった気がする。この2曲のことだけをなぜはっきり覚えているかといえば、それはやっぱり非常に盛り上がったからで、加えてワンナイトイベントではもったいないからと考えたのかどうか、他にも演奏する機会があり、のちに、今は亡きドラマーの先輩の結婚式でも彼がドラムを叩いて演奏したから、ということがあるかもしれない。ちなみに本作の「ブルース・マーチ」の後テーマでは、一部に遊び心あるアレンジが施されているが、あの箇所をわれわれは正露丸のCMメロディーに替えて演奏してました。