あうとわ~ど・ばうんど

Sirone Bang Ensemble - Configuration

引き続き購入した中古盤を聴き進める。

Configuration

Configuration

Billy Bang(vln) Charles Gayle(as, ts) Sirone(b) Tyshawn Sorey(ds)


田中啓文さんは本盤を「隠れた名盤」と評したが、なるほどそうかもしれない。シローネとビリー・バングを双頭リーダーとしつつ、チャールズ・ゲイルをフィーチャーしたカルテット、なのだが、ドラムが何と今を時めくタイショーン・ソーリー! 2004年の録音当時は24歳、既に前年「Blood Sutra by Vijay Iyer」に参加していたとはいえ、おそらくまだまだ無名の若手であったにちがいなく、田中さんも「ドラムもよくて」ぐらいしか記述がない。しかし、このへんの人脈とも交流があった(というか、ゲイルと共演していた)とは驚いたなあ。アルバムは、シローネとバングのコンポジションの演奏であって、ゲイルもアルトとテナーを使い分け、概ね曲の枠内で(時に食い破りつつ)自由なソロを取る。激しいブロウをしなくても、吹き伸ばしの微妙な揺らぎだけで万感無量交々胸に迫る素晴らしい音であり、デヴィッド・S・ウェア亡き現在、こんな音を出す人は他にいない。