あうとわ~ど・ばうんど

Berlin Concerts

ベルリン・コンサート

ベルリン・コンサート

このアルバムの1曲目「Hot House」が、やはり良い。4年前に書いたことと重複してしまうが、エリック・ドルフィーもまた『チャーリー・パーカーの子供たち』の一人であることが実感できる。「Jazz at Massey Hall」と聴き比べてみるとよく分かる。音程感覚などはもちろんドルフィー独特のものであるが、フレーズの入り方や組み立て方やアクセントのつけ方などは、かなりパーカーの影響が色濃い。そして徐々に、パーカー重力圏から離脱、いやむしろ止揚というべきか、を図る。ドルフィーの個人史を見るようでもある。むろんこうしたプレイにも、学生時代の私は影響を受けた。ただし似ても似つかないそれは、周囲にとって迷惑以外の何物でもなかっただろうが(笑)。

ちなみに、本作が録音されたベルリンでドルフィーは、それから3年も経たぬうちに亡くなってしまう。