あうとわ~ど・ばうんど

Akira Sakata & Chikamorachi with Masahiko Satoh / Proton Pump

ついに発売された。

Proton Pump

Proton Pump

Akira Sakata (as, cl, vo, perc) Masahiko Satoh (p) Chris Corsano (ds) Darin Gray (upright bass, perc)


聴く前から傑作だと確信していたが、聴いてみたらやっぱり傑作だった。2015年10月、新宿ピットインにおける録音。こういう言い方は誤解を招くかもしれないが、佐藤さんの理知的で鮮やかなピアノによって、ちかもらちの音楽に新たな息吹がもたらされたかのようだ。冒頭のタイトル曲「陽子ポンプ」から理知的ながら稠密なピアノに煽られて、いつもの3人がぶっ飛ばす。続く「弾丸アポトーシス」に至っても、その勢いは止まらない。3曲目「どんぐりの化学結合」は、ピアノが繰り出す童謡リズムを細分化したような小気味よいパルスを中心に、坂田さんがかつての新童謡よろしく『リンゴ追分』『七つの子』『どんぐりころころ』を結び付け、後半はアルトで疾駆する。そして最終曲「真核生物の航海」は、フリーながら終盤は何とも真っ当なジャズ的展開に驚かされた。坂田さんはもちろん、佐藤さんも、いつまでたっても過激だなあ。繰り返すが傑作。ところで、坂田さんと佐藤さんの本格的共演アルバムって、もしかして初めて?


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