あうとわ~ど・ばうんど

Tim Berne / My First Tour - Live in Brussels

ティム・バーンが34年前の演奏を突然リリースした。しかも、なんと無料である。


Tim Berne / My First Tour - Live in Brussels
Tim Berne(as) Paul Motian(ds) Ed Schuller(b) Herb Robertson(tp)


ティムが(おそらく)自己のグループを率いて初めて出たヨーロッパツアーから、1983年2月のブリュッセルにおける演奏が収録されている(なお、その翌月にミラノでスタジオ録音されたのが Soul Note の「Mutant Variations」だ)。bandcamp ページの解説によれば、ティムが所有する古いカセットテープから、モチアンの一側面を知ってほしいと考えたのがリリースの動機だそうで、たしかに後年の繊細なイメージとは異なるポールのパワフルなプレイを聴ける。とはいえ私の目当てはやはり若き(とはいっても20代後半の)ティムのアルトであって、まずは冒頭、無伴奏ソロにおける訴求力の高い音(元テープに起因すると思われるピッチの揺れが多少気になるものの)に惹きつけられる。彼自身は当時の演奏を発展途上と評していて、たしかにスタイルはまだオーソドックス寄りではあるものの、時間間隔を狂わせるような現在の彼につながる片鱗を随所でみせてくれるから満足だ。


参考音源
www.youtube.com