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Henry Threadgill Ensemble Double Up - Old Locks and Orregular Verbs

ヘンリー・スレッギルの新譜が届く。

Old Locks and Irregular Verbs

Old Locks and Irregular Verbs

Henry Threadgill(composition) Jason Moran(p) David Virelles(p) Roman Filiu(as) Curtis MacDonald(as) Christopher Hoffman(cello) Jose Davila(tuba) Craig Weinrib(ds)


スレッギルの新グループ「Ensemble Double Up」は、Pi Recordigs 公式サイトの説明によれば、Zooid の拡張版であるとの由。Zooid からバンドの低音部を支えるホフマンとダヴィラが参加しつつ、ピアノとアルトが2人ずつ(とドラム)という変則編成になっている。アルバムはスレッギルの友人、ローレンス・D・“ブッチ”・モリスに捧げられたもので、スレッギルが演奏に参加せずコンポジションに専念しているのは、モリスの「コンダクション」への彼なりの追悼であろうか。(ちなみに言うと、プロデュースはリバティ・エルマンである)


アルバムは2台のピアノによる即興から始まるが、やがて御馴染みのスレッギル・メロディーが立ち上がる。ただし、そこで斬り込んでくるアルトサックスがスレッギルではないので、ちょいとずっこけるものの、それでも交互に現れるアルトはともにスレッギル的な雰囲気は持っていて、特にカーティス・マクドナルドはけっこう頑張っているのではないだろうか。なお、最終4曲目だけが、スレッギルのふだんのシステムとは違う方法で作曲されているようで、憂愁と喪失感を掻き立てるような重くも美しい追悼曲になっており、ところどころマイルス・ディヴィスの「Get Up With It」におけるエリントン追悼曲「He Loved Him Madly」を思い起こさせる。


4曲目を除けば、どうにもスレッギル・カバー集みたいで、しかもややラフに聴こえるところが耳についてしまうのは致し方ないけれど、このグループも始まったばかりのようであるし、サイト説明では3人目のピアノを加えて活動を継続しているとのことで、次回作にはスレッギルが参加してくれることも含めて期待したい。


参考動画

www.youtube.com



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