あうとわ~ど・ばうんど

Jason Robinson / Tiresian Symmetry

昨日の一件にも言えることだが、1作目の印象が薄かったからと言って、2作目もそうであるとは限らない。だから、1作目を聴いただけで見切りをつけるのは難しい(むろん、自分は馬鹿耳なので、価値を見誤っている可能性だって少なくない)。これもやはりそう感じたアルバム。

Tiresian Symmetry

Tiresian Symmetry

Jason Robinson(ts, as, ss) JD Parran(acl, contra-bcl, ts) Marty Ehrlich(as, bcl, c-fl) Marcus Rojas(tuba) Bill Lowe(tuba, b-tb) Liberty Ellman(g) Drew Gress(b) George Schuller(ds) Ches Smith(ds)


前作は、Liberty Ellman、Drew Gress、George Shullerとのカルテットに、Rudresh MahanthappaとMarty Ehrlichが入れ代わり立ち代わり客演する構成で、たしかにソロ合戦では見どころもあったが、全体のサウンドとしては平板な印象は否めなかった。
そんな私の印象などJason Robinsonは知る由もないが、今作ではChes Smithが参加してダブルドラムに、チューバ(トロンボーン)も2人追加して低音を強化、さらに前作にも参加していたEhrlichやフリー系ベテランのJ. D. Parranとの木管3管アンサンブルを配置して、サウンドが厚みを増した。
結果、リーダー自身や他のメンバーのソロもよく映え、非常に見直したのである。Ellmanの参加からみて、編成にはHenry Threadgillの影響もあるかと思われるが、まあさすがに本家スレッギルの曲への魔法のかかり具合と比べてしまうのは酷ではあろう。しかしながらEllmanは現在 ThreadgillのZooidでプロデュースを務めており、コンポジションやアレンジ面で彼の比重が増せば今後さらに大化けする可能性もあると思うのだが、ともあれ次作も待とう。


参照・プロモ