あうとわ~ど・ばうんど

James Falzone The Renga Ensemble - The Room Is

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James Falzone The Renga Ensemble - The Room Is
Allos Documents, 2015)
James Falzone(Bb cl, Eb cl) Ben Goldberg(Bb cl, contra Eb acl) Ken Vandermark(Bb cl, bcl, bs) Keefe Jackson(ts, bcl, contra Bb bcl) Ned Rothenberg(Bb cl, as) Jason Stein(bcl)


シカゴ出身のクラリネット奏者 James Falzone 率いる The Renga Ensemble のデビュー作。「Renga」とは連歌のことらしいが、メンバーが17音と14音の即興フレーズを次々引き継いでいく、という構成には(当然ながら)なっていない。では、フリージャズ界において活躍する手練れ6人で、さぞや大暴れかと思いきや、(ふだんの彼らからすれば)抑制的な演奏である。

アルバムは、アメリカの詩人による英語俳句(三行詩)「not seeing (改行) the room is white (改行) until that red Apple」(どういう意味?)からインスパイアを受けたとのこと。全14曲。「Prelude」で始まり、途中「Interlude」が挟まり、「Postlude」で終わる。その合間に先述の詩を解体した「Not Seeing」「The Room Is」「White」「Until」「That Red Apple」という曲たちが挟まるほか、6人それぞれがフィーチャーされた「The 1st~6th Renga」各曲が演奏されている。

上でも述べたが、抑制的ではあるものの(むろん多少は暴れる曲もありつつ)、名手たちによるクラリネットを中心とした響きは深い。


試聴