あうとわ~ど・ばうんど

Gil Evans - There Comas A Time

久しぶりに再発盤のことでも。

時の歩廊+3

時の歩廊+3

オリジナルフォーマットのロングヴァージョンおよびボーナストラックを収録した内容としては国内初CD化だそうだが、実のところ、私が本作を聴くこと自体が初である。70年代のギル・エヴァンズといえば「スヴェンガリ」が最も有名で人気も評価も高く、これまで私自身もそう思っていた(確信できるほどにはギルのアルバムを聴き漁ってはいないけれど)。

しかし3月までに出た他の再発盤と同様、これも買って聴いてきたのだが、聴き込むほどに存在が大きくなっていった。これはとんでもない作品ではないだろうか。たとえばマイルスで言えば「ゲット・アップ・ウィズ・イット」のごとく、他のギルの作品には似ず、一線を画すような(確信できるほどにはギルのアルバムを聴き漁ってはいないけれど)。

サンボーン、ジョージ・アダムズ、ビリー・ハーパーハンニバル・ピーターソンらがとても光っているし、何よりここには、録音当時、75年までのギルの音楽のすべてと、その後88年に没するまでの音楽の兆しがすべて詰まっていると感じられる(確信できるほどにはギルのアルバムを聴き漁ってはいないけれど。あ、しつこいですか)。